遺産分割の流れ|相続と遺産分割 3

遺産分割の流れ|相続と遺産分割 3

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相続の割合はどのように決めるか

相続人が確定したら、「誰が」「どの財産を」「どのような割合で」相続するかを決めることになります。

財産をどう分けるかは、遺言があるかどうかで変わります。遺言があれば、その内容に基づいて財産を分け、遺言がなければ、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)によって分けることになります。

現実には、親子や兄弟姉妹であっても、価値観、置かれている経済状況、あるいは元々の人間関係などが絡んで、スムーズに話し合いが進まないことも多いことでしょう。そこで民法は、誰がどのような割合で相続できるのかという目安を定めています。この民法で定められた相続の割合のことを、法定相続分と言います。

遺産分割の基本的な流れ

(遺言がある場合)

  • (原則)遺言通りに分割
  • (例外)相続人全員の合意のうえ遺産分割協議により分割

(遺言がない場合)

  1. 法定相続分を目安に話し合う
  2. 相続人全員が合意するまで話し合う(遺産分割協議

民法の定めは、あくまでも目安です。法定相続分は、相続人の公平さを保つために定められたものではありますが、一方で画一的でもありますので、実情にそぐわない場合もあります。そのため、相続人全員が納得(合意)していれば、法定相続分通りに相続をしなくても、全く問題ありません。話し合って決まった内容を遺産分割協議書に記し、全員が署名、押印すれば、法定相続通りではなくても、相続割合は決定します。

話し合いをしても相続分が決まらない場合

家庭裁判所へ調停を申し立て、調停委員を介して、遺産分割協議を進めることになります。

遺留分侵害額請求権

遺留分という相続人が最低限相続できる割合が法律で定められています。これは、故人の意思をもとにした遺言による相続を尊重しつつも、それにより不利な相続となった相続人の権利を二次的に保護する制度といえます。

基本は相続人全員で遺産(相続財産、遺贈されたもの、生前贈与された遺産相当財産など)の1/2、相続人が父母など直系尊属だけの場合は、相続人全員で遺産の1/3が遺留分となります(兄弟姉妹には遺留分は認められていません)。

ある相続人に相続された財産が、その遺留分財産額を法定相続分で分割した額より少ない場合、遺留分を侵害されたことになります。

遺留分を侵害された相続人は、財産を遺留分より多く取得した相続人や遺贈された人、生前贈与を受けた人に対してその侵害額を請求できる権利が認められています。その場合の大まかな手続きの流れは以下のようになります。

  1. 請求書の送付(内容証明郵便物が望ましい) ⇨ 協議と合意 ⇨ 精算
  2. 1.で解決しない場合: 家庭裁判所へ調停申立て
  3. 2.でも解決しない場合: 訴訟

遺留分侵害額請求権は,相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年又は相続開始の時から10年を経過したときに時効によって消滅します。

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