介護費用の負担を軽減する制度|介護 5

介護費用の負担を軽減する制度|介護 5

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介護費用が一定金額を超えると払い戻しがある

長い期間の介護では家族、本人ともに心身の負担が多くなります。特に年金生活で経済的に余裕のない場合は、金銭面での不安が大きくなります。そんな不安を少しでも解消するために、介護費用の負担を軽減する制度があります。

1. 高額介護サービス費支給制度

高額介護サービス費支給制度は同じ月(1日から月末まで)に支払った利用者の負担の合計額が負担の上限額を超えたときに、市区町村へ申請すれば、超えた分が介護保険から払い戻される制度です。医療費の高額療養費制度と仕組みが似ている制度です。

負担の上限額は世帯・個人の所得などによって決まります。

住民税 対象者 負担の上限額(月額)
個人非課税 生活保護受給者 15,000円(個人)
世帯非課税 公的年金等収入金額その他の合計所得金額80万円 24,600円(世帯)15,000円(個人)
上記に該当しない人 24,600円(世帯)
課税世帯 同一世帯内の65歳以上の人の課税所得
380万円(年収約770万円)未満
44,400円(世帯)
同一世帯内の65歳以上の人の課税所得
380万円(年収約770万円)
690万円(年収約1,160万円)未満
93,000円(世帯)
同一世帯内の65歳以上の人の課税所得
690万円(年収約1,160万円)以上
140,100円(世帯)

例えば、「世帯のだれかが住民税を課税されている人」の世帯での上限額は4万4400円となります。1カ月間に介護サービス料を5万円負担した場合は5万-4万4400円=5,600円が払い戻されます。世帯での上限額となるので、1人で5万円利用した場合も、夫が2万円、妻が3万円利用して合計で5万円の場合も同様です。

なお、介護予防・生活支援サービス事業の一部、施設サービスなどの食費・部屋代等、特定福祉用具購入、住宅改修の費用は、高額介護サービス費の対象外となります。

2. 高額医療・高額介護合算療養制度

また、高額医療・高額介護合算療養制度では、医療費の自己負担額と介護サービスの利用者負担額の合計が1年間(毎年8月から翌年7月まで)で限度額を超えた場合、申請すると超えた額が払い戻されます。高齢者のいる世帯では医療費と介護費の出費が重なって家計を圧迫することになるので、ぜひ知っておきたい制度です。

自治体からの給付金の活用

介護保険負担限度額認定証を交付された人の減額制度

介護保険施設、介護老人保健施設、介護療養型保健医療施設やショートステイを利用したときの食費、居住費(滞在費)は原則自己負担ですが、所得や預貯金の額が一定以下の人は市町村から介護保険負担限度額認定証の交付を受けることにより、食費、居住費、滞在費の自己負担限度額が減額される制度があります。

老人福祉手当

老人福祉手当は、主に65歳以上で寝たきりや認知症などで介護が必要な高齢者が対象となります。この手当は、在宅で老人の介護をしている家族へ支給されます。どちらも介護の期間や所得に条件があり、一般的に支給額は5千円から1万円程度です。自治体ごとに制度の有無や名称、内容が違う場合がありますので、お住まいの自治体へ問い合わせて確認する必要があります。

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