株式・公社債の評価|相続税・贈与税 8

株式・公社債の評価|相続税・贈与税 8

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上場株式の評価

上場株式とは、金融商品取引所(証券取引所など)に上場されている株式をいいます。その評価額は、以下のうちの最も低い価額となります。なお、課税時期に最終価格がない場合やその株式に権利落 (新株を取得する権利を失った状態のこと)などがある場合には、一定の修正をすることになっています。

  • 課税時期(被相続人の死亡の日)の最終価格(終値の時価)
  • 課税時期の月の毎日の終値の平均時価
  • 課税時期の月の前月の毎日の終値の平均時価
  • 課税時期の月の前々月の毎日の終値の平均時価

非上場株式の評価

一方、取引相場のない株式などの非上場株式は、その株主として経営支配を有するかどうかを基準にして次のように評価します。

  • その株式の発行会社の経営支配を有する同族株主等 ⇨ 原則的評価方式
  • それ以外の株主 ⇨ 特例的な評価方式の配当還元方式

原則的評価方式

原則的評価方式は、評価する株式を発行した会社を総資産価額、従業員数および取引金額により大会社、中会社または小会社のいずれかに区分して、原則として次のような方法で評価をすることになっています。

出典:取引相場のない株式(国税庁ホームページ)
会社の規模 評価方式 説明
大会社 (原則)類似業種比準方式 類似業種の株価を基に、評価する会社の一株当たりの「配当金額」、「利益金額」および「純資産価額(簿価)」の3つで比準して評価する方法です。
小会社 (原則)純資産価額方式 会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から負債や評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額により評価する方法です。
中会社  類似業種比準方式と純資産価額方式を併用

特例的な評価方式の配当還元方式

同族株主等以外の株主が取得した株式については、その株式の発行会社の規模にかかわらず、特例的な評価方式の配当還元方式で評価します。配当還元方式は、その株式を所有することによって受け取る1年間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元して、元本である株式の価額を評価する方法です。

公社債、利付公社債の評価

公社債とは、資金調達するために、国、地方公共団体、会社などが発行する債券です。これらは、銘柄ごとに券面額100円当たりの単位で評価します。利付公社債とは、定期的に利子が支払われる債券で、利払いは年間の一定期日に行われます。上場されているかどうかで以下の算式により求められます。

上場公社債(利付公社債)
(課税時期の最終価格 + 源泉所得税相当分控除後の既経過利息) × 券面額 ÷ 100円
非上場公社債(利付公社債)
( 発行価格 + 源泉所得税相当分控除後の既経過利息 ) x 券面額 ÷ 100円
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