一方向のみ道路に接した宅地の奥行価格補正
同じ面積の土地でも、道路に対する奥行の長短によって利用価値は変わります。
そこで、土地の奥行距離に応じて路線価を修正することを奥行価格補正といいます。
この修正では「奥行価格補正率表」を用います。この表は上に地区区分、左に奥行距離が示されており、両者が交差したところの数値が奥行価格補正率となります。通常の土地の評価額に、この奥行価格補正率を掛けて評価額の修正を行います。
奥行距離の違いによる評価額の比較
- 前提条件
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- 面積:300㎡
- 路線価:20万円
- 評価額:300㎡ × 20万円 = 6,000万円
- 奥行距離10mの場合
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- 補正率:1.0(そのまま)
- 評価額:6,000万円
- 奥行距離30mの場合
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- 補正率:0.95
- 評価額:300㎡ × 20万円 × 0.95 = 5,700万円
同じ面積であっても、奥行距離に応じて評価額が異なることがわかります。
間口距離に比べて奥行距離が長い場合の奥行長大補正
とくに、間口距離に比べて奥行距離が長い土地に関しては「奥行長大補正率表」に基づく、奥行長大補正率を掛けることによって、さらなる調整が必要になります。つまり、奥行が長大な土地については、より節税が可能な場合があるということです。
- 前提条件
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- 面積:300㎡
- 路線価:20万円
- 評価額:300㎡ × 20万円 = 6,000万円
- 奥行距離30m、間口距離12mの場合
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- 奥行価格補正率:0.95
- 奥行長大補正率:0.98
- 評価額:300㎡ × 20万円 × 0.95 × 0.98 = 5,586万円
二方向が道路に接した宅地
側方路線影響加算(角地)
角地は、住宅にしても商業施設にしても利用価値が高いとされます。その評価を価格に反映させる修正を側方路線影響加算といいます。計算は次のように行います。
- 二方向が道路に面しているため路線価が2つある⇨奥行価格補正後の価格が高い方を正面路線価とする
- 奥行価格補正を行った正面路線価とならなかった方(側方路線価)に「側方路線影響加算率」を乗ずる
- 1.に2.を加え角地の1㎡あたりの路線価とする
- 3.に面積を掛けて評価額を算出する
二方路線影響加算(二つの道路に挟まれた土地)
その他、2つの道路に挟まれた土地も、角地と同じく評価が高くなります。この修正を「二方路線影響加算」といいます。計算の方法は側方路線影響加算と同じですが、側方路線価の補正には「二方路線影響加算率」を用います。