路線価方式・倍率方式による土地評価|相続税・贈与税 5

路線価方式・倍率方式による土地評価|相続税・贈与税 5

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宅地の評価方法には路線価方式と倍率方式がある

宅地の評価方法は路線価方式と倍率方式の2種類があり、どちらかの方法で評価します。どちらを採用するかは自由に選べるものではなく、その土地の所在地に路線価が定められているか否かによって決められています。

一般的に、路線価の定めがある市街地にある宅地は路線価方式、路線価の定めがない市街地以外の地域(郊外や農村部など)は倍率方式で評価します。どちらで評価すべきか迷う場合には、最寄りの税務署に確認するのがよいでしょう。

路線価方式

路線価とは、道路に面した土地の1㎡当たりの標準価額のことです。路線価に宅地の面積を乗じて土地の評価額を計算するのが路線価方式です。おもに市街地にある路線価が定められた宅地に適用されます。なお、土地の特性(土地の形状や道路に面しているかどうかなど)に応じて評価額の修正があります。

路線化方式による宅地の評価額
  1. (原則)路線価 x 宅地の面積
  2. (例外)土地の特性に応じて1.を補正

各地域の路線価は「路線価図」という地図に記載されています。路線価図は各税務署で閲覧できる他、国税庁のホームページにも掲載されています。路線価は1月1日を基準日として毎年改定されますが、相続税における土地の評価は、死亡した年(相続が開始した年)を基準にするため、死亡した年に対応する路線価図を参照する点に注意が必要です。

国税庁のホームページより

倍率方式

倍率方式とは、宅地の固定資産税評価額に、地域ごとに定められている一定の倍率を掛けて、土地の評価額を計算する方式です。路線価が定められていない地域(おもに市街地以外)にある宅地に適されます。固定資産税評価額を知りたい場合は、都税事務所や市区町村役場で確認することができます。

また、計算に用いる「一定の倍率」を知りたい場合は、各税務署に問い合わせるか、路線価図といっしょに国税庁のホームページに掲載されている「評価倍率表」でも確認することができます。評価倍率表についても、路線価図と同じく、被相続人が死亡した年のものを参照します。なお、倍率方式は路線価方式のような土地の特性に応じた評価額の修正はありません。

倍率方式による宅地の評価額
  • 固定資産税評価額 × 評価倍率
国税庁のホームページより

図の見方

実際に路線価図を見てみると、いろいろな数字や図・記号が並んでいます。複雑そうに見えますが、一つひとつの意味を知ることで読み取ることができます。

路線化図の説明
路線化図の説明
出典:路線化図の説明(国税庁ホームページ)

最初に、評価したい土地の場所を確認します。町丁名と街区番号の表示がありますので、それをもとに探します。

次に、その土地に面している道路を見ると、数字とアルファベットが書かれていることがわかります。この数字が路線価で千円単位になっています。アルファベットは借地権割合を示しています。これは、借地や貸宅地の場合の評価に使うものです。たとえば「255D」と記載されている場合、路線価は25.5万円、借地権割合は60%となります。路線価は両脇の矢印の伸びている範囲まで適用されます。

さらに、路線価が丸やひし形の記号の中に書かれている箇所があります。この記号は「地区区分」を表し、繁華街地区や普通住宅地区など7つに区分されています。路線価方式の計算では、土地の形状や道路への接面状況などに応じて評価額の修正を行うことがありますが、その際にこの地区区分の判定が必要になります。

なお、記号の上下・左右に黒塗りや斜線が引かれている場合には注意が必要です。記号の黒塗りになっている部分は、黒塗りになっている側の路線の道路沿いのみが地区区分に該当します。そして、斜線が引かれている部分は、その部分については地区区分から除かれます。

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